過度なダイエットで体臭がキツくなることがある

体臭

薄着のシーズンが近づくと「ダイエットしなきゃ」と誰もが思うことでしょう。
特に女性にとっては大きなテーマです。しかし、過度なダイエットをすると、体臭がキツくなることがあるんです。

ダイエット臭は次のようなメカニズムで、段階的にニオイが強くなっていきます。

  • 第一段階
    食事制限により炭水化物やたんぱく質の摂取不足が生ずると、体はストックしておいた中性脂肪を燃やすことでエネルギーを得ようとして、中性脂肪をニオイ成分でもある「脂肪酸」に分解して、ミトコンドリアのTCA回路という燃焼系に運びます。
    ところが、急激なダイエットや運動不足で代謝が低下してこのTCA回路の回転が減速していると、脂肪酸が完全燃焼させずに、余分の脂肪酸が血中に増加してきます。
    これが汗や皮脂とともに体外に出ると、油っぽい脂質系のニオイがしてきます。しかし、このニオイは、さほど強くないため、この段階では、体臭としては気がつかれないことも多いのです。
    むしろ、ダイエットによる空腹状態が唾液の分泌を低下させ、「口臭」として感じられることが多いようです。

    第二段階
    ダイエットのよる基礎代謝の低下が続くと、熱の産生が少なくなるだけでなく、体の血行が悪くなります。これは抹消組織への酸素の供給が減少することを意味します。酸素不足の状態では、体はエネルギーを完全燃焼系のTCA回路からではなく、不完全燃焼系の「解糖系」という方法でエネルギーを得ようとします。その結果の副産物として生ずるのが乳酸です。乳酸はアンモニアと一緒に汗の中に出る性質があり、汗をかいた時にアンモニアくささが強くなります。
    この段階では、「なにか汗くさいな」「ちょっとにおうかな」と体臭を気にする人も出てきます。

    第三段階
    ダイエット臭の最終段階では、「甘酸っぱい」ケトン臭という典型的なニオイが発生します。
    このニオイは、血中に増加した脂肪酸が、TCA回路に入って燃焼されずに、別な径路で、ケトン体(アセトン等3種類)というニオイ物質に合成されてしまうことで生じます。ケトン体は、糖尿病の時に出る匂いと同じで、強烈なニオイ物質でもあるのです。
    このケトン体が血液の中に増加すると、まず呼気から口臭として、さらに汗の中に体臭として、さらには尿の中にも排出されて、最後は体全体からツーンとした「ダイエット臭」を発散させることになります。

  • 出典:ダイエット臭のメカニズム

これらの原因の大元は急激に食事の量を減らしたことにより栄養不足です。栄養が不足して、基礎代謝まで低下してしまい、エネルギーの生産回路がうまく働かなくなってしまいます。その結果としてダイエット臭が発生します。

では、ダイエット臭を出すことなくダイエットをするにはどうすればいいのでしょうか。

それは有酸素運動をして基礎代謝を高く保つことです。食事制限をするだけでは、筋肉量が減ってしまいます。また合わせて基礎代謝も減ってしまいます。そうすると、リバウンドしやすくなります。
ダイエットの際は食事と合わせて運動も取り入れるといいでしょう。

せっかく痩せたのに「何か臭うよ」なんて言われたら悲しいですよね。計画的なダイエットでニオイのないすっきりしたダイエットを目指しましょう。

タイトルとURLをコピーしました